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ヒト腸内微生物相から特別な一次代謝経路を予測するgutSMASH
Nature Biotechnology 41, 10 doi: 10.1038/s41587-023-01675-1
腸内微生物相は何百種類もの小分子を産生しており、その中には宿主の生理機能を調節しているものも多い。二次代謝物の生合成遺伝子を特定する研究が行われてきたが、腸内マイクロバイオームの化学的出力を主として構成するのは一次代謝物である。本論文では、一次代謝遺伝子クラスターを見いだすアルゴリズムgutSMASHを紹介する。我々は、これを用いて腸内マイクロバイオームの代謝を体系的にプロファイリングし、質の高い4240の微生物ゲノムに1万9890の遺伝子クラスターを見いだした。経路の分布には各門の間で顕著な差が認められ、これにはエネルギー獲得戦略の違いが表れている。こうしたデータは、短鎖脂肪酸産生の分類学的差異を説明し、各分類群に特徴的な代謝ニッチを示唆している。オランダ人集団に基づくコホートの1135人の解析から、血漿中および糞便中のマイクロバイオーム由来代謝物のレベルは対応する代謝遺伝子のメタゲノム量とほとんど相関しないことが明らかになり、経路に特異的な遺伝子調節と代謝物流量の重要な役割が指摘された。本研究は、マイクロバイオームの化学に対する細菌分類群の寄与の仕方の違いを理解するための出発点となる。