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未知の種を伴うメタゲノムの分類学的プロファイリングのMetaPhlAn 4による拡張と改善

Nature Biotechnology 41, 11 doi: 10.1038/s41587-023-01688-w

メタゲノムのアセンブリは微生物群集からの新規生物の発見を可能にするが、大多数のメタゲノムでは、存在数の多いわずかな生物を捕捉することしかできない。本論文では、メタゲノムのアセンブリと分離微生物のゲノムの情報を組み合わせてメタゲノムの分類学的プロファイリングの網羅性を高める方法、MetaPhlAn 4を紹介する。101万の原核生物参照ゲノムとメタゲノムアセンブリゲノムのキュレーションを経たコレクションから、種レベルの2万6970のゲノム配列群に関して固有のマーカー遺伝子を特定した。そのうち4992は、種レベルでの分類学的同定が行われていないものであった。MetaPhlAn 4は、大多数の国際的なヒト腸内マイクロバイオームで約20%、解析の進んでいないルーメンマイクロバイオームなどの環境で40%以上のリードを説明した。また、合成メタゲノムの評価では利用可能な代替手段よりも正確であるとともに、培養分離株が存在しない生物を確実に定量化することも示された。この方法を2万4500以上のメタゲノムに応用したところ、ヒトとマウスのマイクロバイオームにおいて、これまで未検出であった種が宿主の健康状態や生活様式の強力なバイオマーカーであることが明らかになった。また、これまで特性が明らかにされていなかった種でも単一微生物株の分解能での遺伝学的プロファイリングが可能であることが示された。

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