ハイスループットなナノ顕微鏡法のための統合型プラットフォーム

単一分子局在化顕微鏡法は、数十nm分解能の三次元蛍光撮像を可能にするが、超解像度の画像を再構成するには多くの撮像フレーム数が必要である。そのため、典型的なスループットは1日当たり細胞数十個に制限される。フレームレートは現在1桁以上高めることができるが、既存のワークフローでは大きなデータ量が制約になる。本論文では、顕微鏡専用のデータ圧縮、分散型ストレージ、分散型解析を活用して1日当たり細胞1万個の取得・解析スループットを可能とする統合型の取得・解析プラットフォームを紹介する。このプラットフォームは、グラフィカルに再構成可能な解析が取得中に顕微鏡から自動開始されてリモートで実行されるようにし、顕微鏡上での新たな取得タスクのフィードバックとキューも可能である。我々は、このフレームワークの有用性を、マルチウェルサンプル形式で1ウェル当たり細胞数百個を画像化することによって実証した。PYME（PYthon-Microscopy Environment）に実装されるこのプラットフォームは、カスタム顕微鏡を制御するように容易に構成可能であり、ユーザーが定義する拡張のためのプラグインフレームワークを含んでいる。