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ヒト網膜オルガノイド発生の多層的・時空間的表現型解析

Nature Biotechnology 41, 12 doi: 10.1038/s41587-023-01747-2

ヒト多能性幹細胞から作製されるオルガノイドは発生や疾患を研究するための実験系となるが、さまざまな空間的スケールや分子モダリティーにわたる定量測定は行われていない。本研究では、網膜オルガノイドの時系列および成人の初代網膜組織の多重タンパク質マップを作製した。我々は、個々のオルガノイドと初代組織における前駆細胞とニューロンの位置、細胞内外の成分の空間的配置、大域的なパターン形成を視覚化するためのツールキットを開発した。また、単一細胞トランスクリプトームとクロマチン接近可能性の時系列データセットを作成し、オルガノイド発生の基礎となる遺伝子調節ネットワークを推定した。空間的にセグメント化された核のゲノムデータを多層的アトラスに組み込み、オルガノイドのパターン形成と網膜神経節細胞(RGC)の空間的近傍領域を調べた結果、RGCの細胞死に関与する経路が明らかになり、網膜オルガノイド内のモザイク状の遺伝的摂動が細胞運命の調節に関する知見をもたらすことが示された。

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