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アルティマ社の塩基配列解読法を利用するscRNA-seq用のmostly natural sequencing-by-synthesis
Nature Biotechnology 41, 2 doi: 10.1038/s41587-022-01452-6
本論文では、単一細胞RNA塩基配列解読(scRNA-seq)用の合成時解読法mnSBS(mostly natural sequencing-by-synthesis)を紹介する。この方法はアルティマ社のゲノミクスプラットフォームに適合させ、最新のscRNA-seqを対照とする体系的な評価を行った。mnSBSは、大部分が天然の(mostly natural)非修飾ヌクレオチドとごく少量の蛍光標識ヌクレオチドを用いることで、ポリメラーゼの高い前進性とコストの削減を可能とする。5′および3′ scRNA-seq、単一および複数の個人由来のヒト末梢血単核細胞、さらにはPerturb-Seqを含み、技術的および生物学的にタイプの異なる4種類のscRNA-seqケーススタディーにうまく応用できることが実証された。ベンチマーキングでは、mnSBSによるscRNA-seqの結果がイルミナ社の塩基配列解読法による結果と極めて近いことが示された。アノテーション済みの遺伝子の境界に対するリードの位置に関連して結果に小さな差異が認められたが、これはアルティマ社のシングルエンドリードがイルミナ社のリードと比較して遺伝子の末端に近いことが原因であった。このように、本方法は塩基配列解読技術とは無関係の最先端のscRNA-seqライブラリーに対応することができる。mnSBSは費用対効果の高い大規模なscRNA-seqプロジェクトで特に有用と考えられる。