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正確なDNA切断に用いるCRISPR-SpRYgest
Nature Biotechnology 41, 3 doi: 10.1038/s41587-022-01492-y
in vitroのDNA切断法と分子クローニング法では、目的の塩基に直接隣接するDNAを正確に切断することが依然としてできない。制限酵素は特定のモチーフに結合しなければならず、野生型のCRISPR–Cas9ヌクレアーゼやCRISPR–Cas12ヌクレアーゼもプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)を必要とする。本研究では、我々が以前に発表してSpRYと命名したほぼPAM不要なSpCas9バリアントについて、さまざまなクローニング用途に向けた一般的なDNA切断ツールとしての有用性を検討した。さまざまなPAMを選んで130種類以上のガイドRNA(gRNA)によるSpRY DNA 消化(SpRYgest)を行ったところ、SpRYはin vitroではPAM不要であり、野生型SpCas9による切断に抵抗性を示す部位を含め、事実上いかなる配列でもDNAを切断できることが分かった。制限酵素や標準的なCRISPRヌクレアーゼでは不可能なものを含め、複数のクローニングワークフローの精度を改善するSpRYgestの汎用性と有効性が示された。また、迅速で単純なワンポットのgRNA合成プロトコルの最適化も行い、SpRYgestの実施を効率化した。総合すると、SpRYgestはDNAの正確な切断が役立つようなDNA改変のさまざまな応用法を改善することができる。