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CRISPRが導くインテグラーゼを用いた二本鎖DNA切断によらない大きな塩基配列のドラッグアンドドロップ式のゲノム挿入
Nature Biotechnology 41, 4 doi: 10.1038/s41587-022-01527-4
露出したDNA二本鎖切断のDNA修復によらずに大型の多様なDNAカーゴのプログラム可能なゲノム組み込みを行うことは、ゲノム編集で今なお解決されていない課題である。本論文で紹介するPASTE(programmable addition via site-specific targeting elements)は、逆転写酵素およびセリンインテグラーゼの両方と融合したCRISPR–Cas9ニッカーゼを用いて選択的なゲノムの動員と目的のペイロードの組み込みを行う方法である。3種類のヒト細胞株、初代T細胞、および非分裂性初代ヒト肝細胞の複数のゲノム座位で、約36キロ塩基もの塩基配列の組み込みが実証された。PASTEを増強するため、メタゲノムから2万5614個のセリンインテグラーゼおよび関連する結合部位を発見し、効率的でプログラム可能な組み込みのために活性が高く認識配列が短いオルソログを作製した。PASTEは相同組換え修復や非相同末端結合に基づく方法と同等またはそれ以上の編集効率を示し、非分裂性細胞およびin vivoでの活性は検出可能なオフターゲット事象が少なかった。PASTEは、DNA修復経路に依存しない複数の大規模な遺伝子挿入を可能とすることにより、ゲノム編集の能力を拡張する。