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膨張顕微鏡法のための汎用的な分子固定戦略Magnify
Nature Biotechnology 41, 6 doi: 10.1038/s41587-022-01546-1
膨張顕微鏡法は、水膨潤性の架橋ハイドロゲルに埋め込まれた保存生体標本を物理的に等方拡大させることにより、通常の顕微鏡によるナノイメージングを可能にする。従来の膨張顕微鏡法のプロトコルでは、特定の標識や生体分子類をゲルに結合させるために、反応性の固定物質による前処理が必要であった。本論文では、別途の固定処理を必要とせずに核酸、タンパク質、脂質を保持する機械的に堅牢なゲルを用いるMagnifyという戦略を紹介する。Magnifyは生体標本を最大11倍まで膨張させて細胞や組織のイメージングを支援し、その分解能は、通常の光学顕微鏡で約280 nmの回折限界対物レンズを用いると25 nm程度、超解像光学ゆらぎイメージングと組み合わせた場合には事実上約15 nmであった。我々はさまざまな生体標本で実際にMagnifyを用い、マウス脳のシナプスタンパク質、ホルマリン固定パラフィン包埋ヒト腎臓足細胞の足突起、薬剤処理ヒト肺オルガノイドの繊毛と基底小体の異常など、ナノスケールの細胞内構造に関する知見を得た。