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腫瘍および腫瘍ホーミング細菌のリアルタイムなin vivoモニタリングに用いる音響レポーター遺伝子がゲノムの探索で得られた
Nature Biotechnology 41, 7 doi: 10.1038/s41587-022-01581-y
超音波は光学的方法をはるかに超える深度のイメージングを可能にするが、in vivo細胞撮像用の遺伝子コードされた既存の音響レポーターには、低感度、低特異性、in vivoでの低発現という難点がある。本論文では、多様な細菌およびアーキアに由来する候補ガス胞遺伝子クラスターの系統発生学的スクリーニングで発見された細菌用および哺乳類細胞用の2つの音響レポーター遺伝子(ARG)を紹介する。これらは、超音波のコントラストが強く、バックグラウンドの組織と識別可能な非線形シグナルを生じ、長期間安定して発現する。これらの優れた細菌用ARGと哺乳類用ARGは、第一世代のレポーター遺伝子と比較して、非線形のコントラストがそれぞれ9倍と38倍に強化されている。これらの新しいARGを用いて、腫瘍ホーミング性を有する治療用細菌でin situの腫瘍定着と遺伝子発現を非侵襲的に画像化し、乳がんマウスモデルで腫瘍の遺伝子発現と増殖の進行を追跡し、遺伝的にモザイクな腫瘍で遺伝子発現に基づく針生検を行うことにより、動的な生物学的過程に対するセンチメートル深度の非侵襲的なアクセスが実証された。