がん治療中の肝臓深部への放射線照射のリアルタイムな立体イメージング

電離放射線音響イメージング（iRAI）は、放射線治療中に放射線の組織との相互作用をオンラインでモニタリングすることを可能にし、がん治療にリアルタイムな適応フィードバックを提供する。本論文では、複雑な臨床放射線治療での三次元（3D）放射線量分布のマッピングを可能にするiRAI立体イメージング法を紹介する。この方法は、二次元マトリックスアレイ変換器とそれに合わせた多チャンネルのプリアンプボードを利用する。まず、3D線量の時間的蓄積が画像化されることを、組織模倣ファントムで検証した。次に、半定量的なiRAI相対線量測定を、in vivoのウサギモデルで検証した。最後に、臨床用線形加速器を用いて、肝転移患者に照射された3D放射線量をリアルタイムで可視化した。今回の研究は、治療中の3D放射線量蓄積のモニタリングと定量化に関するiRAIの可能性を示しており、リアルタイムな適応的治療によって放射線治療の効果が高められる可能性がある。