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プライム編集の効率と産物純度を深層学習で予測する
Nature Biotechnology 41, 8 doi: 10.1038/s41587-022-01613-7
プライム編集は汎用性の高いゲノム編集ツールであるが、高い編集効率を得るにはプライム編集ガイドRNA(pegRNA)の実験的な最適化を必要とする。今回我々は、ハイスループットのスクリーニングを行い、塩基の置換、挿入、欠失を含む極めて多様な1万3349のヒト病原性変異を対象に9万2423のpegRNAのプライム編集結果を解析した。このデータセットに基づいて、プライム編集に影響を与える配列状況の特徴を明らかにし、アテンションに基づく双方向再帰型ニューラルネットワークであるPRIDICT(prime editing guide prediction)を訓練した。PRIDICTは全ての小さな遺伝子変化の編集率を高い信頼度で予測し、スピアマンの相関係数は、意図した編集と意図しない編集でそれぞれ0.85と0.78であった。内在性の編集部位と外部データセットでPRIDICTの検証を行った結果、PRIDICTスコアが高い(> 70)pegRNAは、スコアが低い(< 70)pegRNAに対して、in vitroの異なる細胞タイプとin vivoの肝細胞でプライム編集効率が大幅に高くなっていることが示され(それぞれ12倍と10倍)、基礎研究とトランスレーショナル研究への応用に関するPRIDICTの価値が示された。