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植物ゲノムに大型DNA塩基配列を正確に組み込むPrimeRootエディター
Nature Biotechnology 42, 2 doi: 10.1038/s41587-023-01769-w
植物育種や合成生物学の分野では、望ましい農学的形質やシグナル伝達経路、代謝経路を導入しやすくするために、大きなDNA断片を染色体に挿入する技術が強く求められている。本論文では、植物において大型のDNAを標的部位に正確に挿入するゲノム編集法であるPrimeRootを紹介する。第3世代のPrimeRootエディターは、最適化されたプライム編集ガイドRNA設計、強化された植物プライムエディター、優れたリコンビナーゼを用いることにより、植物ゲノムに最大11.1 kbの大型DNAを正確に挿入することを可能にした。我々はPrimeRootを用いて、遺伝子調節エレメントがイネに正確に導入されることを実証した。本研究ではさらに、Act1プロモーターによって働くイネいもち病抵抗性を付与するPigmRを含む遺伝子カセットを、イネ品種キタアケのゲノムのセーフハーバーと予想される部位に挿入し、期待された挿入配列を有する編集植物体を6.3%の効率で得た。これらのイネ植物体は、いもち病抵抗性が強化されていることが明らかになった。以上の結果は、PrimeRootが植物において大型DNA断片を正確に挿入する有望な方法であることを示している。