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ディープラーニングによるCRISPR–Cas13dガイドRNAのオンターゲット活性とオフターゲット活性の予測

Nature Biotechnology 42, 4 doi: 10.1038/s41587-023-01830-8

RNAを標的とするCRISPRエフェクターを用いた生細胞でのトランスクリプトーム工学の応用は、オンターゲット活性とオフターゲット回避の正確な予測に左右される。今回我々は、ヒト細胞の重要な遺伝子群を標的とし、体系的に設計されたミスマッチや挿入欠失(インデル)を有するRfxCas13dのガイドRNAを約20万本設計し検討した。その結果、ミスマッチやインデルがCas13dの活性に対して位置や状況に依存した影響を及ぼすこと、またG・Uの不安定な塩基対形成を生じるミスマッチがそれ以外の一塩基ミスマッチよりも許容されやすいことが明らかになった。我々はこの大規模なデータセットを用いて、ガイドの塩基配列や状況から有効性を予測するためのTIGER(targeted inhibition of gene expression via gRNA design)と命名した畳み込みニューラルネットワークを訓練した。TIGERは、我々のデータセットと公開されているデータセットにおいて、オンターゲット活性とオフターゲット活性の予測に関して既存のモデルよりも優れていた。特定のミスマッチを組み合わせたTIGERのスコアリングは、転写物の発現を調節する最初の一般的な枠組みをもたらし、RNAを標的とするCRISPRの使用による遺伝子量の正確な制御を可能にすることが示された。

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