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脂肪肝:PNPLA3遺伝子の遺伝的多型が、非アルコール性脂肪性肝疾患の感受性に関与している

Nature Genetics 40, 12 doi: 10.1038/ng.257

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、最近急速に増加してきた原因不明の健康問題で、祖先グループによりその罹患率に違いがある。肝臓の脂肪量の違いに影響を与える遺伝的多型を同定するために、ヒスパニック、アフリカ系アメリカ人、ヨーロッパ系アメリカ人からなる集団(n=9,229)において、非同義置換塩基多型のゲノムワイド関連研究を行った。PNPLA3のある対立遺伝子(I148Mをコードするrs738409[G])が肝脂肪レベルの増加(P=5.9x10-10)および肝臓の炎症(P=3.7x10-4)と強い関連を示した。その対立遺伝子はヒスパニックに最もよくみられ、ヒスパニックはNAFLDに最もかかりやすいグループであった。肝臓の脂肪量はPNPLA3 rs738409[G]をホモにもつグループが、それをもたないグループより2倍以上高かった。再シーケンシングによって、NAFLDに最もかかりにくいグループである、アフリカ系アメリカ人の肝脂肪が低いことと、S453Iをコードする、PNPLA3の別の対立遺伝子(rs6006460[T])が関連のあることがわかった。このように、PNPLA3の多型が肝脂肪量と、NAFLDの感受性において、祖先の違いによる個人間の相違に関与している。

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