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遺伝子発現のノイズ:遺伝子発現のノイズにおける動的な相関によって明らかにされた制御活性

Nature Genetics 40, 12 doi: 10.1038/ng.281

遺伝子発現調節において、その相互作用は状況依存的である。ある細胞の状態では活性化されているが、別の状態では活性化していない。遺伝子発現における確率論的なゆらぎ、もしくは「ノイズ」は、制御リンクの活性化したところを通って、逆に不活性なところを通らずに広がっていく。したがって、遺伝子発現のノイズ間の相関は、制御リンクにおける活性状態を探索するための非侵襲的な手段を提供しうるものである。しかしながら、グローバルな「外因性の」ノイズのソースは直接的な調節のリンクがないときでさえも相関を生成する。今回、私たちは、調節があらわれる時間の遅れによって、単一細胞タイムラプス顕微鏡が、活性状態にある調節の結合と外因性のノイズを区別できることを示す。私たちは、この原則を確率モデルを用いて数学的に、また、単純な合成の遺伝子回路を用いて実験的に証明している。また、私たちは、このアプローチを用いて、大腸菌のガラクトース代謝における動的なノイズの相関を解析した。そして、私たちはCRP-GalS-GalEフィードフォワードループが標準の状態では不活性状態にあるが、GalR 変異型では活性状態になりうることを見いだした。これらの結果は、内在性の遺伝子回路について、遺伝子調節の相互作用での状況依存関係を解析するのに、ノイズがいかに役立つかを示すものである。

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