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集団遺伝学:高効率なペアワイズ合祖時間推定法による選択シグナルおよび濃縮された疾患遺伝率の検出

Nature Genetics 50, 9 doi: 10.1038/s41588-018-0177-x

集団動態の推移を再構築することへの関心を動機として、全ゲノム塩基配列データから座位特異的なペアワイズ合祖時間を推定するための手法が開発されてきた。ここでは、強力な新しい手法としてASMC法を紹介する。この手法は、SNPアレイデータのみから合祖時間を推定することが可能で、既存のアプローチに比べて数桁高速である。最近になって働いた正の選択を検出する目的で、UKバイオバンクに登録された英国人11万3851人のフェージング済みデータにASMC法を適用することにより、6つの新規座位を含む、全ゲノムレベルで有意な12のシグナルが検出された。また、より長い期間にわたって見られるバックグラウンド選択を検出するために、オランダ人498人の塩基配列データにASMC法を適用した。独立した20の疾患ないし複雑な形質について、広範な機能アノテーション(その他のバックグラウンド選択アノテーションを含む)セットを条件に加え、層別化連鎖不平衡スコア回帰法を用いて解析したところ、バックグラウンド選択の高い領域に遺伝率の強い濃縮が認められた。これらの結果は、複雑な形質の遺伝学的基盤にバックグラウンド選択が広く影響を及ぼしていることを示している。

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