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GWAS:220のヒト表現型を対象とした遺伝的関連の集団横断的アトラス

Nature Genetics 53, 10 doi: 10.1038/s41588-021-00931-x

現在のゲノムワイド関連解析は、集団の多様性やさまざまなヒト形質(疾患や身長などの個人の特徴)を十分に捉えているとはいえない。本研究では、非ヨーロッパ系集団における遺伝的関連のアトラスを拡充するために、バイオバンク・ジャパン(n = 179,000)のデータを用いて、過去の病歴や電子カルテのテキストマイニングを取り入れることにより、健康に関する220の詳細な形質(疾患、バイオマーカー、投薬記録)に関するゲノムワイド関連解析を実施した。英国バイオバンクおよびFinnGenとのメタ解析(ntotal = 628,000)により、およそ5000の新規関連座位を明らかにし、ヒト形質に関するゲノムマップの分解能が向上した。このアトラスにより、今回HLAファインマッピングを行った主要組織適合遺伝子複合体座位に代表されるように、多面的関連の全貌が明らかになった。また、フェノームワイドの要約統計量行列の特異値分解によって、潜在的な遺伝的成分を明らかにすることができた。これらは、集団を超えて共通する現在の疾患分類の基盤となっている原因バリアントと生物学的機構を特定した。分解により特定された成分は、類似した複数の疾患群(例えば、アレルギー疾患)を遺伝学的な情報に基づいてサブタイプに分けることを可能にした。本研究は、仮説なしの遺伝学的手法で客観的にヒト疾患を再分類する方法の可能性を示している。

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