Analysis

HLA参照パネル:集団多様性を地球規模で捉えた高分解能HLA参照パネルにより、複数の祖先系統でのHIV宿主応答のファインマッピングが可能になる

Nature Genetics 53, 10 doi: 10.1038/s41588-021-00935-7

複雑なゲノム領域で真の疾患感受性原因バリアントをファインマッピングするには、複数の遺伝的集団を含むコホートで行った方が効率的である可能性がある。これは、集団特異的な構造を持つMHC領域では特に顕著である。そうした研究を可能にするために、全ゲノム塩基配列に基づいて、世界の5つの遺伝的集団を網羅する大規模な(n = 21,546)HLA参照パネルを構築した。我々は、集団特異的な長距離ハプロタイプの存在にもかかわらず、Gグループの分解能で正確なインピュテーションを行えることを実証した[混合アフリカ系(AA)集団94.2%、東アジア系(EAS)集団93.7%、ヨーロッパ系(EUR)集団97.8%、ラテン系(LAT)集団93.7%]。3つの集団(EUR、AA、LAT)におけるHIV-1ウイルス量についてのゲノムワイド関連解析データに対してHLAインピュテーションを適用し、これまでに集団特異的なHIV研究から報告されている関連を取り除くと、HLA-Bの156番目のアミノ酸に新しい関連が見つかった。HLA-Bペプチド結合溝内の3つの連続したポケット(C、B、D)にそれぞれある3つのアミノ酸の位置(97番目、67番目、156番目)とMHCの関連が明らかになり、これらにより形質の分散の12.9%が説明された。

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