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テロメア:テロメア長の多様性の多遺伝子的な基盤と生物医学的影響
Nature Genetics 53, 10 doi: 10.1038/s41588-021-00944-6
染色体の末端部分であるテロメアは、細胞の増殖や老化において重要な役割を果たしている。本研究では、白血球テロメア長(leukocyte telomere length;LTL)の生得的な多様性の遺伝学的基盤を解明する目的で、詳細な形質が判明している英国バイオバンクの参加者47万2174人を対象として、LTLと生物医学的な表現型との間の因果関係を突き止めた。LTLに関連を有する197の独立したセンチネルバリアントが、138のゲノム座位(うち108は新規座位)において見つかった。遺伝的に決定されているLTLの違いは、身長から骨髄機能に至る多数の生物学的形質や、腫瘍、血管疾患、炎症性疾患のようないくつかの疾患のリスクと関連していた。40歳の時点のLTLが母集団平均と比較して1 s.d.よりも短い人は、1 s.d.以上長い人と比べて平均余命が2.5年短くなると推定された。本研究は、LTLの遺伝学的制御に関する新たな知見を明らかにし、LTLが生理学的形質、疾患、寿命に及ぼす広範な影響を解明するとともに、世界中の研究者に有益な情報を提供するものである。