Brief Communication
COVID-19:多民族人種データによる精細マッピングから重症COVID-19のリスクにOAS1のスプライシングが関与していることが示される
Nature Genetics 54, 2 doi: 10.1038/s41588-021-00996-8
OAS1/2/3クラスターは、ヨーロッパ系人種において重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスク座位であり、染色体領域12q24.13に位置するネアンデルタール人由来の約75キロベース(kb)の保護的なハプロタイプに存在することが分かっている。この保護的なハプロタイプにはOAS1のスプライシングバリアントが1つ含まれており、このバリアントはアフリカ系人種では、ネアンデルタール人からの遺伝子流動とは独立して生じている。本論文では、2万779人の入院患者症例を用いた多民族人種横断的な精細マッピング手法を用いることで、このスプライシングバリアントがこの座位の関連の原因SNPである可能性が高いことを明らかにした。従って、OAS1が、COVID-19の重症度に影響を与えるエフェクター遺伝子であることが強く示唆された。