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子宮内膜がん/プロテオゲノミクス:早発性子宮内膜類内膜がんに対するプロテオゲノミクス的洞察 ─ 妊孕性温存療法に対する応答の予測因子

Nature Genetics 56, 4 doi: 10.1038/s41588-024-01703-z

子宮内膜がんは、依然として公衆衛生上の懸念であり、特に若い女性の発症率が増加している。妊孕性の温存は、早発性の子宮内膜類内膜がん(EEEC)の管理において考慮すべき重要な事項であり、妊孕性があり出産を望む40歳未満の患者では特に重要である。我々はEEECの分子的特性を明らかにするために、子宮内膜がん患者215人(EEEC患者81人を含む)を対象とした大規模マルチオミクス研究を行った。その結果、エクスポソーム関連の変異シグネチャーとEEECの間に予期せぬ関連が明らかになり、これは特定のCTNNB1SIGLEC10のホットスポット変異、および下流経路の破壊を特徴としている。興味深いことに、EEECのSIGLEC10Q144K変異は、SIGLEC-10タンパク質の異常な発現を引き起こし、エストロゲン受容体αとの相互作用によりプロゲスチン抵抗性を促進した。また、EEECでの妊孕性温存療法におけるプロゲスチン応答に対して、有望なタンパク質バイオマーカー候補が見つかった。まとめると、我々の研究はEEECのプロテオゲノミクス研究資源を確立し、EEECの一次予防法と早期発見戦略の開発に役立つ、エクスポソームとゲノム感受性の間の相互作用を明らかにしている。

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