Research Highlights

二光子蛍光相関顕微鏡によって明らかになった腫瘍における輸送の二相性

Nature Medicine 10, 2 doi: 10.1038/nm981

輸送パラメーターは薬剤の腫瘍への接近度を決定する。だが、生体組織の深部におけるこれらパラメーターの測定は技術的な難しさによって阻まれている。このため我々は、腫瘍における輸送パラメーターをin vivoで測定するために二光子蛍光相関顕微鏡(TPFCM)を改良してより最適化した。TPFCMによって腫瘍における拡散係数の検出可能範囲は1桁向上し、拡散には速い成分と遅い成分の2種類があることがわかった。これら2成分の割合は分子サイズに依存しており、in vivoではヒアルロニダーゼやコラゲナーゼで変化させることができる。今回の研究成果は、腫瘍への薬剤送達の障害を解消するのにTPFCMが有望な手段となることを示すものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度