Research Highlights CpGオリゴデオキシヌクレオチド反復投与後のリンパ瀘胞破壊と免疫抑制 2004年2月1日 Nature Medicine 10, 2 doi: 10.1038/nm987 哺乳類ゲノムではあまり認められないが原核生物では一般的である非メチル化シチジルグアノシル(CpG)配列を含むDNAは、マクロファージ、単球および樹状細胞を含む自然免疫系の細胞によってエンドサイトーシスされ、Toll様受容体-9 (TLR9)が関与する経路を活性化する。CpGを含むオリゴデオキシヌクレオチド(CpG-ODN)は自然免疫の強力な刺激因子であり、抗微生物、抗アレルギー、抗癌および抗プリオン免疫療法のアジュバントとして現在テストが行われている。しかしながら、これらの応用のいくつかに対して推奨されているCpG-ODNの反復投与の結果についてはあまりわかっていない。本論文では、CpG-ODN 60μgの毎日投与が、マウスのリンパ器官の形態と機能性を急激に変化させることを報告する。7日目までにリンパ瀘胞はあまり明確ではなくなり、瀘胞樹状細胞(FDC)および胚中心Bリンパ球は抑制された。これに応じて、7日間以上にわたるCpG-ODN処置は、初回液性免疫応答および免疫グロブリンクラススイッチを強く抑制した。20日目までに、マウスでは多巣性の肝臓壊死と出血性の腹水が見られるようになった。Tlr9−/−マウスのCpG-ODN処置や、野生型マウスへの非刺激性ODN (AT-ODN)もしくはTLR3アゴニストであるポリイノシン:シチジル酸(polyI:C)の反復投与はいずれも免疫毒性や肝毒性が見られなかったので、全ての不適切な影響はCpGおよびTLR9に直結するものであった。 Full text PDF 目次へ戻る