Technical Report 心臓の電気生理学的性質と不整脈を調べるための非侵襲的な心電画像化技術 2004年4月1日 Nature Medicine 10, 4 doi: 10.1038/nm1011 心臓の不整脈による死亡者数は世界全体で毎年700万人を超え、不整脈で障害を負った人はさらにこれを上回る。しかし、リスクのある患者を見つけ出して精度の高い診断を下し治療法の手引きに使いうる画像化技術は今のところない。心電図(ECG)などの標準的な診断技術は、体表で心臓の電気的興奮を捉えるため、精度が低くなってしまう。本論文では、心臓の電気的興奮を非侵襲的に画像化する心電画像化技術(electrocardiographic imaging;ECGI)という新しい方法をヒトに適用して成功を収めたことを報告する。ECGIでは、224個の電極をつけたベストを装着して、体表面で心電図を記録する。次に、コンピューター断層撮影法(CT)から得た幾何学的データと数理的アルゴリズムを用いて、心臓表面の電位や心電図、伝導の等時線を再構築する。ここでは、(i)正常な心臓、(ii)伝導障害のある心臓(右脚ブロック)、(iii)右心室または左心室のペーシングにより開始された局所的興奮、そして(iv)心房粗動の4つの場合で、心房興奮、心室興奮、心室再分極に際してECGIを適用した例を示す。 Full text PDF 目次へ戻る