Technical Report 磁気共鳴グローバルコヒーレント自由歳差による非侵襲的シネアンギオグラフィ 2004年5月1日 Nature Medicine 10, 5 doi: 10.1038/nm1027 心血管系疾患の診断には侵襲的なX線シネアンギオグラフィが主に使われている。本論文では、これと同様の画像を、磁気共鳴画像診断装置(MRI)によって、非侵襲的にまた造影剤を使用することなく得るという新しい構想について初めて紹介する。この方法では、血流中のプロトンが空間中の任意の領域を通過していくのを数ミリ秒毎に「タグ」づけする。新しい血液の標識が進んでいくのと同時に、既に標識された血液はグローバルコヒーレント自由歳差(global coherent free precession, GCFP)状態に維持され、心臓が血管床を介して血液を押し出すのにつれて連続画像が得られる。血流周囲の身体組織は励起されないので描出されない。この方法によって18人の被験者で、定常励起領域からの最大16 cm離れた距離まで脈動する血液が流れる様子を3次元的に観察できた。以上の知見から、この新しい方法により侵襲的処置とほぼ変わらずに、解剖学的性質と血流の両方の特徴を非侵襲的に捕捉可能なことが確認された。 Full text PDF 目次へ戻る