Letter 骨髄性単球は治療目的で行われる肝臓での細胞融合に十分適した性質を備えている 2004年7月1日 Nature Medicine 10, 7 doi: 10.1038/nm1062 遺伝病であるフマリルアセト酢酸ヒドラーゼ(Fah)欠損症は、骨髄由来肝細胞(BMH)による肝臓再生により治癒することがある。BMHはドナーの骨髄由来細胞とホストの肝細胞の融合により生じる。このようなin vivoでの細胞融合を治療に効果的に使うには、肝細胞と融合する造血幹細胞の特性を知ることが必要である。本論文では、Fah-/-マウスに、リンパ球を欠くRag-/-マウス由来の造血幹細胞(HSC)、系列決定済み顆粒球マクロファージ前駆細胞(GMP)、あるいは骨髄由来マクロファージ(BMM)を移植したところ、BMHのさかんな産生が起こったことを示す。これらの結果は、マクロファージのような系列決定された骨髄性単球がin vivoでの融合により機能を保持した上皮細胞を産生できることを直接証明するものである。骨髄やHSCの永続性のある移植はこの過程では必要とされないので、マクロファージあるいはその増殖性の高い前駆細胞は、標的を絞りかなりの許容性をもった、器官再生を目標とする細胞治療法に使える可能性がある。 Full text PDF 目次へ戻る