Technical Report 記憶B細胞からヒトモノクローナル抗体を効率よく得る方法:SARSコロナウイルスの強力な中和法 2004年8月1日 Nature Medicine 10, 8 doi: 10.1038/nm1080 受動的血清療法は微生物感染に対する即効的な防御策となりうるが、中和用のヒトモノクローナル抗体を短時間で作り出す方法はまだ得られていない。我々は以前、エプスタイン・バーウイルスでヒトB細胞を形質転換させる方法の改良版を考案した。これを使って我々は今回、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)の感染から回復した患者1名の免疫記憶レパートリーを解析した。そして、ウイルスの各種タンパク質に特異的なモノクローナル抗体を単離し、10−8M~10−11Mの幅の中和活性をin vitroで示す35種類の抗体を得た。こうした抗体のうち1種類は、SARS-CoV感染のin vivoマウスモデルで防御効果が認められた。以上の結果からみて、免疫ドナーの免疫記憶レパートリーを調べて、自然感染の過程で選択された中和抗体を迅速かつ高効率で単離することが可能である。 Full text PDF 目次へ戻る