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アデノ随伴ウイルスベクターを使った全身投与による横紋筋への遺伝子送達

Nature Medicine 10, 8 doi: 10.1038/nm1085

心臓や骨格筋の疾病に対する遺伝子治療の最も大きな障壁は、成体で筋肉への全身的な遺伝子送達ができないことである。横紋筋への全身的な遺伝子導入は血管内皮により妨げられるが、これは血管内皮が血液循環によるベクター送達の障壁となるからである。今回我々は、組換えアデノ随伴ウイルスpseudotype 6ベクターの単回静脈内投与後に、哺乳動物成体の心筋と骨格筋の両方で広い範囲に遺伝子導入が起こることを実証した。末梢毛細血管の透過性を急速に増大するために、血管内皮増殖因子(血管透過因子)を同時に投与すると、ベクター濃度が低くても組織への遺伝子導入が促進された。この方法によって、デュシェンヌ型筋ジストロフィーのモデルマウスであるジストロフィン欠損mdxマウスの骨格筋で、機能を保持したマイクロジストロフィンを筋肉特異的に広範囲に発現させることができた。このような方法は、哺乳動物成体の横紋筋へのさまざまな遺伝子の全身的送達法として使えると考えられる。

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