Article CD40リガンド欠損のトランススプライシング修復はX連鎖高IgM免疫不全症マウスモデルに自然制御された修正をもたらす 2004年8月1日 Nature Medicine 10, 8 doi: 10.1038/nm1086 免疫グロブリンアイソタイプスイッチの不全を特徴とするX連鎖高IgM免疫不全症(HIGM1)は、正常な場合に活性化CD4+T細胞で発現しているCD40リガンド(CD40L)の突然変異に起因する。CD40Lの構成的発現はリンパ腫を誘発するので、我々はmRNA前駆体のトランススプライシングによって、CD40Lの自然制御を保存した状態で突然変異の修正を行った。CD40L欠損マウスの骨髄を正常なCD40Lの第2〜第5エクソンをコードするレンチウイルストランススプライサー(trans-splicer)で修飾し、それらの骨髄細胞を同系のCD40Lノックアウトマウスに投与した。受容マウスは、修正されたCD40L mRNAをつくり、キーホールリンペットヘモシアニン免疫に対する抗原特異的IgG1応答、一次および二次移植マウスにおけるCD3刺激後のCD4+T細胞での制御されたCD40Lの発現、ならびにPneumocystis carinii肺炎の軽症化を示し、かつ1年間にわたってリンパ球増殖性疾患の兆候を示さなかった。このように、HIGM1はCD40Lトランススプライシングによって修正が可能であり、この成果は、CD40L遺伝子の、制御を受けない発現によって起こる有害な結果を引き起こさずに遺伝学的欠陥の機能修正をもたらすものである。 Full text PDF 目次へ戻る