Article 免疫:樹状細胞ワクチン接種後にみられるCD8+T細胞記憶と感作・追加免疫応答の促進 2005年7月1日 Nature Medicine 11, 7 doi: 10.1038/nm1257 記憶T細胞の数を防御に有効なレベルに達するまで効率的に増加させるには、一般に免疫の間隔を比較的長くしなくてはならない。この間隔の短縮は、迅速な防御応答が不可欠であるバイオテロ対策やガン免疫療法において非常に重要であると考えられる。本論文では、ペプチドでコートした樹状細胞(DC)を用いたワクチン接種では、記憶細胞の表現型と機能をもつCD8+T細胞が4から6日以内に産生されることを示す。この早期記憶CD8+T細胞では、さまざまな追加免疫処理に応答して急激な2次増殖がみられ、その結果エフェクター細胞および記憶T細胞の数が増加して、防御免疫が亢進した。DCの抗原提示期間を変化させない強力な炎症惹起剤であるCpGオリゴデオキシヌクレオチドの同時投与は、野生型マウスでは記憶T細胞の速やかな生成を抑制したが、インターフェロン(IFN)-γ受容体を欠損するマウスでは抑制が見られなかった。これらのデータは、DCワクチン接種が記憶T細胞生成を促進する経路を刺激すること、また応答性T細胞へのIFN-γの作用を含む炎症過程が、記憶CD8+T細胞の分化速度を制御することを示している。 Full text PDF 目次へ戻る