Article 免疫:経口投与したCD3特異的抗体はCD4+CD25-LAP+T細胞を誘導して自己免疫性脳脊髄炎を抑制する 2006年6月1日 Nature Medicine 12, 6 doi: 10.1038/nm1408 自己免疫疾患や移植に対する免疫療法の主要な目的は、免疫寛容にかかわる調節性T細胞の誘導である。粘膜免疫系は、抗原にさらされた後に選択的に寛容が誘導されるために独特の性質をもち、調節性T細胞の誘導は経口免疫寛容の主要な機構である。CD3特異的モノクローナル抗体の非経口投与はヒトでの移植に対して認可されている治療法であり、自己免疫性糖尿病で有効である。我々は経口投与されたCD3特異的抗体が腸内で生物学的に活性をもち、自己免疫性脳脊髄炎を誘導前および発症中に抑制することを見いだした。経口投与されたCD3特異的抗体は、CD4+CD25-LAP+調節性T細胞を誘導する。このT細胞はLAP(latency-associated peptide)を表面上にもち、in vitroおよびin vivoでTGF-β依存的な機構で機能する。これらの知見はヒトの自己免疫性疾患の治療に広く適用しうる新しい免疫学的方法を明らかにするものである。 Full text PDF 目次へ戻る