Technical Report 画像化法:同時的PET-MRI:機能と形態を同時に画像化する新手法 2008年4月4日 Nature Medicine 14, 4 doi: 10.1038/nm1700 分子レベルでの非侵襲的画像化は生物医学研究における新興分野の1つである。本論文では、陽電子放出断層撮影法(PET)と磁気共鳴画像法(MRI)という主要な2つの画像化手法を相乗的に複合する新技術について報告する。PETはin vivoでバイオマーカーを高感度で追跡できる点が高く評価されているが、形態の分解能はよくない。MRIは低感度だが、軟組織の高コントラスト像を得ることができ、分光学的情報や機能的MRI(fMRI)が得られる。我々は、7-T MRIに組み込む動物用3次元PETスキャナーを開発し、評価を行った。MRIとPETは同時に作動させた場合でも、どちらもそれぞれの機能性を維持していた。さらに、この複合的画像化システムを用いて、生きているマウスから機能と形態のPET-MRIデータが同時に得られた。PET-MRIは、前臨床研究において生物学的・病理学的特性を調べるための強力な手段となり、臨床応用への可能性が極めて高い。なかでもfMRIや分光分析とPETとの組み合わせは、分子画像化に新たな道を開くものである。 Full text PDF 目次へ戻る