Article 免疫:マスト細胞活性化剤:新型の非常に有効なワクチンアジュバント 2008年5月1日 Nature Medicine 14, 5 doi: 10.1038/nm1757 マスト細胞(MC)は、所属リンパ節への免疫細胞の移動やリンパ球活性化調節における代表的なエフェクター細胞であることが最近認められてきている。しかし、体液性免疫応答の成立でのマスト細胞の役割は明らかになっていない。本論文では、ワクチン抗原とともに小分子MC活性化剤を皮下あるいは鼻腔に投与すると、抗原特異的な血清免疫グロブリンG(IgG)応答が大幅に増大することを示す。これらの応答はMC依存的であり、樹状細胞やリンパ球の所属リンパ節への移動増加と相関していた。このような処方による鼻腔注入でも抗原特異的な分泌型IgAが誘導され、in vitroでの炭疽菌致死性毒素投与やin vivoでのワクシニアウイルス感染に防御作用を示した。まとめると、これらの結果はMCが適応免疫系に不可欠なセンサー関連機能を担うことを明らかにしている。また、MC活性化剤が、無針注射投与により抗原特異的な防御性免疫応答を誘導できる、新型のワクチンアジュバントであることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る