生体多光子顕微鏡法からは、健康あるいは疾患の機序を考えるための非常に有力な情報が得られ、現在の生物学研究で広く用いられる装置となっている。しかし、多光子顕微鏡法には高い対物レンズ開口数と外因性造影剤が不可欠であるため、相当量の組織を調べたり、長時間にわたって繰り返し動的変化を探ったりする能力には限界がある。我々は、多光子顕微鏡法の技術的限界を回避する生体顕微鏡法として、光周波数領域画像化法(optical frequency domain imaging;OFDI)を導入し、その結果、従来調べられていなかった重要な組織生物学的性質について、先例のない測定を得た。OFDIに基づく独自の手法と完全に内因性の造影機構を使って、腫瘍血管新生、リンパ管新生、組織の生存能力、および治療に対する脈管系と細胞の両応答を迅速、かつ繰り返し測定した結果を報告する。これは、OFDIが生理学的および病理学的過程の研究や治療戦略評価の助けとなる可能性を実証している。