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高血圧:概日時計を欠損するCryヌルマウスの食塩感受性高血圧には副腎Hsd3b6の調節異常がかかわっている

Nature Medicine 16, 1 doi: 10.1038/nm.2061

概日時計の機能障害は、これまでにさまざまな疾患の発症原因と関連づけられてきた。今回我々は、体内時計関連因子クリプトクロム1(Cry1)およびクリプトクロム2(Cry2)を欠損するマウス(Cryヌルマウス)は、ミネラルコルチコイドであるアルドステロンが副腎で過剰に合成されるようになり、食塩感受性高血圧を呈することを明らかにした。その基盤となる病因について広範に探索した結果、3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼVI型(Hsd3b6)がマウスで高血圧に対する新規リスクファクターであることを同定した。Hsd3b6はアルドステロン産生細胞でのみ発現し、概日時計によって転写制御を受ける。Cryヌルマウスでは、Hsd3b6のメッセンジャーRNAおよびタンパク質量は恒常的に増加し、3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ-イソメラーゼ(3β-HSD)の酵素活性が著しく上昇し、その結果としてアルドステロン産生が亢進した。以上のデータは、Hsd3b6が概日時計の機能障害と高血圧の発症を結びつける上で中心的な役割を果たしていることを示している。これらの知見をヒトに適用するには、マウスHsd3b6に類似する機能を有することを我々が解明したヒトHSD3B1遺伝子に対する臨床的検討が必要であろう。

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