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脱髄疾患の遺伝子治療

Nature Medicine 16, 1 doi: 10.1038/nm0110-37

X連鎖副腎白質ジストロフィー(X-ALD)を発症した少年2人に対して遺伝子治療が行われた。X-ALDは映画『ロレンツォのオイル/命の詩』で広く知られるようになった病気である。この疾患の患者は通常、同種造血幹細胞(HSC)移植による治療を受けるが、これによって患者脳内にドナー由来のミクログリアが生じる。Patrick Aubourgたちは適合ドナーのいない患者を2人選び出し、彼らのHSCがもつ異常遺伝子をHIV由来のレンチウイルスベクターを用いて修正した。この種のベクターは、特に高効率でHSCに遺伝子を導入できる。遺伝子を修正した細胞を注入してから14か月から16か月後に脳内の脱髄の進行が止まった。この転帰は、従来の同種移植治療の達成度に匹敵するものである。

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