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結核:結核菌タンパク質LdtMt2は毒性およびアモキシシリン耐性に必要な非古典的トランスペプチダーゼである

Nature Medicine 16, 4 doi: 10.1038/nm.2120

ペプチドグリカン層は細菌細胞壁の非常に重要な構成要素である。ペプチドグリカンネットワークは一般に、主に4→3トランスペプチド結合によって架橋されている静的構造であると考えられている。しかし、複製を行っていない結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のペプチドグリカン層のトランスペプチドネットワーク形成では、非古典的な3→3結合が優位を占めている。このような結合の分子基盤や、これらがペプチドグリカン層の生理的性質、毒力や薬剤感受性に担う役割は解明されていない。我々は、MT2594が結核菌で3→3結合を作り出すl, d-トランスペプチダーゼであることを突き止めた。このタンパク質が失われると、慢性感染期でのコロニー形態の変化や毒力の喪失およびアモキシシリン・クラブラン酸合剤への感受性増加が引き起こされることを示す。このことは、3→3架橋形成がペプチドグリカン層の生理的性質に非常に重要であることを示唆している。機能的なホモログが存在するが、ldtMt2発現は結核菌の増殖期を通して優性である。4→3トランスペプチド結合は、現在ヒトで臨床的に使われる抗菌薬の中で最も広く使用されている種類の1つのβ-ラクタム類の標的である。最近、メロペネム・クラブラン酸合剤が、薬剤耐性結核菌に対して有効であることが示された。我々の研究は、l, d-トランスペプチダーゼとβ-ラクタマーゼ阻害剤の併用が、結核の慢性期に持続している細菌を効果的に標的とする可能性を示唆している。

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