Technical Report 食道内視鏡検査:内視鏡検査の際の多重スペクトル走査によるバレット食道異形成部位のガイド下生検 2009年5月1日 Nature Medicine 16, 5 doi: 10.1038/nm.2138 米国での食道がんの発生頻度は、他のどのがんよりも速く上昇しつつある。食道逆流の合併症の1つで、他の点では良性のバレット食道は、約300万人の米国人が罹患しており、ほぼすべての食道がん症例でがんに先行して発症している。これを高度異形成として検出できれば、大半の食道がんを防止できるだろう。異形成に対する診断基準に決められたスクリーニングでは、内視鏡観察と所定の生検法を用いる。この診断手順では、病理検査用に病変組織のごく一部を採取するが、異形成は高度に限局性で、視覚的に区別できないため、検出できる確率は低い。今回我々は、endoscopic polarized scanning spectroscopy(EPSS)と呼ぶシステムを開発した。これは、食道表面全体の高速の光学的走査を行い、多重スペクトル画像を得るもので、ほぼリアルタイムでの診断が可能となる。これによって疑わしい部位を検出しマッピングすることで、内視鏡観察では見つけられない前がん状態の異形成のガイド下生検が実行できる。本論文では、EPSSの開発と、特別の考慮に値する1例を含むいくつかの臨床例へのその応用について報告する。 Full text PDF 目次へ戻る