Technical Report 細胞療法:表面に合成ナノ粒子を結合した治療用細胞の設計と作製 2010年9月10日 Nature Medicine 16, 9 doi: 10.1038/nm.2198 細胞療法の大きな制約の1つは、移植した細胞の生存能力や機能が急速に低下することである。本論文では、佐剤を詰め込んだナノ粒子を治療用細胞の表面に結合させることで、細胞療法の効果を高める方法について述べる。がんの養子T細胞療法のモデルで、この方法を使ってドナー細胞へ擬似的自己分泌刺激を持続的に与えたところ、腫瘍排除が著しく増強された。また、全身投与では無効な、ごく低用量の佐剤により、移植した造血幹細胞のin vivoでの増殖速度が増加した。この手法は、治療に用いる細胞(cytoreagent)の効果を高めながら、佐剤の全身的副作用を最小限にでき、簡便で一般化が可能である。またこれらの結果は、治療用細胞が、能動的な標的型薬剤送達のためのベクターとして有望であることを示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る