Review

血管炎症における好中球

Nature Medicine 17, 11 doi: 10.1038/nm.2514

本総説では、好中球が血管炎症に果たす重要な調節的役割に注目する。先進的な画像化技術を用いた最近の研究から、細菌感染、また無菌損傷に対する防御に好中球がかかわる仕組みについて新たな知見が得られている。これらの場合、好中球は状況によって異なる多様な機序によって動員される。また、全身感染の際にこのような動員過程を障害する可能性のある仕組みについて、特にマウスの敗血症モデルに重点を置いて述べる。全身感染の際、好中球は肺や肝臓で静止してしまうことが多い。細菌は、この不動化によって自然免疫応答を回避できるようになるのかもしれない。だが、この不動化が、好中球が血中で細菌を捕捉して殺すための好中球細胞外トラップを形成できるようになる機序である可能性も考えられる。血小板もまた敗血症に重要な役割を果たしており、好中球細胞外トラップの形成で血小板が好中球と協力する仕組みについても述べる。

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