Letter 結核:優勢なTNF-α+結核菌特異的CD4+ T細胞応答によって潜伏感染と活動性疾患とが判別される 2011年3月1日 Nature Medicine 17, 3 doi: 10.1038/nm.2299 結核菌(Mycobacterium tuberculosis、Mtb)の活動性感染の迅速な診断は、臨床においても基礎医学においても難問であり続けている。我々は、Mtb特異的T細胞のサイトカインプロファイル〔インターフェロンγ、腫瘍壊死因子α(TNF-α)およびインターロイキン2 (IL-2)〕の多色フローサイトメトリーによる解析を行った。Mtb潜伏感染患者と活動性結核患者でのMtb特異的CD4+ T細胞応答を調べ、活動性結核患者ではTNF-αのみ陽性のMtb特異的CD4+ T細胞の比率が増加していることが明らかになった。また、このパラメーターは活動性結核か潜伏感染かの判定に関する最も強力な予測因子であった。我々は、結核の診断について調査者が知らされていない101人からなる患者コホートで、このパラメーター使用の妥当性を検証した。フローサイトメトリーを用いるこの分析の感度は67%、特異度は92%であり、陽性予測値は80%、陰性予測値は92.4%だった。したがって、TNF-αのみが陽性のMtb特異的CD4+ T細胞の比率は、活動性結核を迅速に診断するための新たな手段となる。 Full text PDF 目次へ戻る