Technical Report 動脈硬化:エラスチン特異的な磁気共鳴造影剤を使った アテローム性プラーク負荷の評価法 2011年3月1日 Nature Medicine 17, 3 doi: 10.1038/nm.2310 アテローム性動脈硬化とその結果生じる各種病態は、先進工業国および発展途上国で主要な死亡要因であり続けている。プラーク負荷とプラーク成長は、将来の心臓事象に関する独立した予測因子であることが、血管内超音波法によって明らかになっている。血管内超音波法は、その侵襲的な特性が妨げとなって、定期的な前向き撮像に使用することができない。したがって、大規模集団でのアテローム性動脈硬化のスクリーニングには、非侵襲的な手法の方が適していると考えられる。本論文では、アテローム性動脈硬化のマウスモデルでプラーク負荷を非侵襲的に定量化するためのエラスチン特異的な磁気共鳴造影剤(ESMA)について述べる。ESMA使用で得られる強力な信号によって、高精度の空間分解能での撮像が可能となり、プラーク負荷を正確に評価できる。加えて、信号強度を測定することで、プラーク内エラスチン含量の定量化によるプラーク特性解析が可能となる。エラスチン含量の変化およびプラーク成長時の高エラスチン存在量と、ESMAの撮像特性を組み合わせることで、分子磁気共鳴画像化法(MRI)によってプラーク負荷を非侵襲的に評価できると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る