Technical Report

ウイルス学:新たに同定されたヒトライノウイルスCの
分子モデリング、器官培養、および逆遺伝学

Nature Medicine 17, 5 doi: 10.1038/nm.2358

最近確認されたヒトライノウイルスC(HRV-C)は、幼児のHRV感染のほぼ半数にまで関係づけられている。今回我々は、鼻粘膜上皮細胞の器官培養によりex vivoで2つのHRV-C分離株を増殖させ、新しいC15分離株の塩基配列を解読し、我々の知る限りで初めてのHRV-Cのための逆遺伝学系を作製した。既知のHRV受容体である細胞間接着分子1(ICAM-1)および低密度リポタンパク質受容体(LDLR)に対する接着点を用いて、種間および種内のフットプリント解析を行い、HRV-Cに独自の細胞接着部位が予測された。HRV-AおよびHRV-Bの結合部位に対する抗体ではHRV-Cの接着を阻害できず、このことは異なる受容体フットプリントと一致している。HRV-AとHRV-BはHeLa細胞およびWisL細胞に感染したが、HRV-Cは感染しなかった。しかし、in vitroで合成したHRV-C RNAを、HeLa細胞とWisL細胞に導入すると、両方に細胞変性効果が生じ、機能を持つウイルスが回収されたことから、ウイルス接着機構はHRV-Cを識別するための主要な特徴の1つであると考えられる。

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