Technical Report 免疫:単一免疫細胞を評価する臨床用マイクロチップによって明らかにされた表現型の似たT細胞群の機能的不均一性 2011年6月1日 Nature Medicine 17, 6 doi: 10.1038/nm.2375 細胞性免疫には本来的に高度な機能的不均一性が見られる。これらの機能の全容を把握するには、単一細胞由来の多数のエフェクター分子を解析する必要がある。本論文では、単一細胞由来の分泌タンパク質について、高い多重性(10種類を超えるタンパク質)、高い信頼性とサンプル効率(約1×104細胞)で定量的測定を行うために設計された、マイクロ流体プラットフォームについて報告する。このプラットフォームの有効性を、リポ多糖(LPS)で刺激したヒトマクロファージ由来の多数の炎症性サイトカインの評価、および標準的な免疫技術との比較によって検証した。また、このプラットフォームを用いて、腫瘍に活発に応答している腫瘍抗原特異的な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)から分泌された12種類のエフェクター分子を同時測定することで、T細胞多機能性の多様性をex vivoで定量化し、健康なドナー対照群のコホートと比較した。活性な腫瘍抗原特異的CTLでは高度だが集中的な機能的不均一性が認められ、また、複数の主要な機能的表現型が定量的に同定された。このプラットフォームは、免疫モニタリングや臨床評価のために豊富な情報を提供する新手段となる。 Full text PDF 目次へ戻る