Technical Report

免疫:同種移植片拒絶の基盤である自然および適応免疫応答の2光子顕微鏡法による可視化

Nature Medicine 17, 6 doi: 10.1038/nm.2376

移植片拒絶には、宿主の自然免疫系と適応免疫系による協調した攻撃がかかわっている。我々は、この動的過程、およびドナーと宿主両方の細胞の関与を調べるために、生体内画像化に適した耳皮膚移植片モデルを開発した。この移植片からドナーの皮膚樹状細胞(DC)が迅速に移動し、宿主のCD11b+単核細胞に置き換わるのが観察された。この浸潤性の宿主細胞はドナー抗原を捕捉し、流入領域リンパ節に到達して、移植片反応性のCD8+ T細胞をクロスプライミングした。我々はさらに、宿主T細胞が移植片細胞を標的とする仕組みを明らかにした。プライミングを受けたT細胞は周囲の組織から移植片へ侵入し、表皮真皮境界部に選択的に局在した。その後、CD8+ T細胞は移植片全体に広がり、多くは停止状態になった。これらの結果から、抗原提示経路や、CD8+ T細胞活性の段階的な変化に関する手がかりが得られ、それによって免疫療法で同種移植片拒絶の重要段階を無効化する仕組みを評価するための枠組みが考えられる。

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