Technical Report 画像化法:ヒト冠動脈アテローム性動脈硬化の細胞内構造の微小光コヒーレンストモグラフィーによる画像化 2011年8月1日 Nature Medicine 17, 8 doi: 10.1038/nm.2409 冠動脈疾患(CAD)の理解、診断、治療の進歩は、ヒト冠動脈アテローム性動脈硬化に関連する細胞や細胞外成分をin situで観察できないことで妨げられてきた。微細構造解析、組織学研究、および電子顕微鏡観察法で現在使われている標準的手法は破壊的なもので、人為的な結果を生じやすい。冠動脈内画像化法として分解能の最も高い光コヒーレンストモグラフィー(OCT)の分解能は約10 μmで、これはほとんどの細胞の可視化には低すぎる値である。本論文では、 分解能をこれより1桁向上させた新型のOCTについて報告する。我々はこれを微小光コヒーレンストモグラフィー(micro-optical coherence tomography;μOCT)と名付けた。死体冠動脈のμOCT画像によって、アテローム形成、血栓形成、および介入療法への応答と関連する細胞特性および細胞内特性の明瞭な画像が得られた。これらの結果から、μOCTはアテローム性動脈硬化検体を調べるための既存の診断技術を補完できると考えられる。μOCTは将来、ヒト冠動脈壁の細胞および細胞内の特性解析をin vivoで行うための有用な手法になるだろう。 Full text PDF 目次へ戻る