Technical Report
画像化法:近赤外II蛍光を用いた多機能in vivo血管画像化法
Nature Medicine 18, 12 doi: 10.1038/nm.2995
我々は、近赤外第二領域(NIR-II)でのin vivoリアルタイム落射蛍光画像化法によるマウス後肢血管系の画像化を、蛍光団として単層カーボンナノチューブを使って行った。NIR-II光領域は解剖学的に深い箇所へ進入可能で、散乱も少ないという利点があるため、マウス後肢の深さ1から3 mmのところにある小血管を、約30μmの空間分解能、1コマあたり200 ms未満という高い時間分解能で画像化できる。この空間分解能は、従来のNIR画像化法(NIR-I)や顕微コンピューター断層撮影法では到達不可能であり、時間分解能は走査型電子顕微鏡技術をはるかに上回る。動脈と静脈は、それぞれに固有の血行動態に基づく動的造影NIR-II画像化法を使うことではっきりと区別される。また、NIR-II画像化法の深い組織進入度と、高い空間および時間分解能によって、正常時および虚血時の大腿動脈での血流速度を正確に定量することができ、その能力は、低い血流速度での超音波検査の能力を上回っている。