Technical Report 画像化法:磁気共鳴法によるグルタミン酸の画像化 2012年2月1日 Nature Medicine 18, 2 doi: 10.1038/nm.2615 グルタミン酸は脳内の主要な神経伝達物質の1つで、そのアミノ基とバルク水の間には、pHおよび濃度に依存した化学交換飽和移動現象(GluCEST)が見られ、核磁気共鳴によってin vivoで画像化できる可能性がある。GluCESTの非対称性はバルク水から約3 p.p.m.低磁場側で観察される。ラット脳内の中大脳動脈閉塞は、同側のGluCESTを反対側に比べて約100%増加させ、それは主にpH変化によるものだった。血液脳関門が破壊されたラット脳腫瘍モデルでは、グルタミン酸の静脈注射で、GluCESTがはっきりと増加し、グルタミン酸のプロトン核磁気共鳴分光シグナルにも同様の増加が見られた。健康なヒト脳からのGluCESTマップも得られた。これらの結果は、GluCESTを用いて、グルタミン酸濃度およびpHの相対的変化のin vivoマッピングが実現可能であることを示している。また、ほかの脳内代謝産物のGluCESTへのかかわりについても検討を行った。 Full text PDF 目次へ戻る