Technical Report

骨疾患:RNAiを用いる同化療法を促進するための、骨形成表面を標的とする送達系

Nature Medicine 18, 2 doi: 10.1038/nm.2617

骨形成異常を伴う代謝性骨疾患は、臨床における重大な難問の1つである。このような疾患を治療するための1つの方法は、骨形成表面を取り巻くニッチを占有する骨形成細胞系列で、骨形成抑制性の遺伝子を低分子干渉RNA(siRNA)によってサイレンシングすることである。我々は、「アスパラギン酸、セリン、セリン」が6回繰り返される反復配列、(AspSerSer)6に、ジオレオイルトリメチルアンモニウムプロパン(DOTAP)をベースにしたカチオン性リポソームを付加したターゲティング系を開発し、骨形成表面特異的なsiRNA送達を試みた。このシステムを用いて、カゼインキナーゼ2相互作用タンパク質1(Plekho1にコードされ、Plekho1としても知られる)を標的とする骨形成性siRNAをリポソームに封入した。ラットで、このシステムを使ってPlekho1 siRNAをin vivo全身投与すると、siRNAは骨形成細胞内に選択的に集まり、それに続いてPlekho1が大きく減少した。生体画像化解析からはさらに、この方法で骨形成が顕著に促進され、骨の微小構造が強化され、健常ラットでも骨粗鬆症ラットでも骨量が増加することが示された。これらの結果は、(AspSerSer)6-リポソームが、RNA干渉を用いる骨同化療法の標的送達系として有望なことを示唆している。

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