Technical Report がん:IDH変異型神経膠腫の患者での磁気共鳴 分光法による2-ヒドロキシグルタル酸の検出 2012年4月1日 Nature Medicine 18, 4 doi: 10.1038/nm.2682 世界保健機関(WHO)による分類法で悪性度が2と3にあたる成人神経膠腫のほとんどには、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ1および2の遺伝子(IDH1およびIDH2)の変異が存在することが明らかになっている。これらの変異には、腫瘍内の2-ヒドロキシグルタル酸(2HG)の蓄積が伴っている。本論文では、プロトン磁気共鳴分光法(MRS)による非侵襲的な2HG検出法について報告する。我々は2HG検出用の数値解析およびファントム解析を用いてパルスシーケンスを開発および最適化し、患者30人の神経膠腫でスペクトルフィッティングによって2HG濃度を見積もった。2HGの検出値はIDH1やIDH2の変異と相関しており、摘出した腫瘍の質量分析で認められたD-2HG値の増大とも相関していた。非侵襲的な2HG検出は、診断や予後の有用なバイオマーカーになると考えられる。 Full text PDF 目次へ戻る